野方母の会

青少年を取り巻く非行の現状を聞き活動に活かす

11月27日に開催された環境浄化懇談会には、野方母の会会員の半数以上の60名が参加。開会前に全員揃う熱心さで、定刻前倒しの開会でした。
会に先立って、東城恵美子会長が「こんなに出席率の高い会は他にはないと思います」と参加協力に感謝。青少年を取り巻く環境は複雑で大変にな
っている。懇談会では盛りだくさんのお話を伺うので、活動の参考にしてくださいと挨拶しました。(挨拶する東城会長)

闇バイトはバイトではない

まず、田村正志野方警察生活安全課長が青少年の非行の現状を説明。特に今問題になっているのが、薬物と闇バイトだそうです。闇バイトに関わった

きっかけの60%が「先輩・友達の誘い」で「SNSの勧誘」の倍の数字。そして、捕まるの大学生より高校生が圧倒的に多く(中学生3人、高校生30人、

大学生3人=令和6年)、彼らのほとんどが「受け子」として使い捨てにされていると聞いてざわめく参加者。闇バイトはバイトではなく犯罪者だと知らな

いで犯罪に加担している、と田村課長は指摘します。

闇バイトをはじめ、青少年の事案の全てにSNSがからんでいるといいます。小学生でも70%以上、中・高校生になると、ほぼ100%が携帯を持って

いる時代。SNSに起因する子供の被害も増えているし、犯罪の低年齢化も進んでいる現状から、小さいうちから携帯の使い方を指導していかなければなら

ない、と呼びかけます。

同じように、今爆発的に増えているのが、大麻だそうです。タバコのように普通に持っている、というのです。オーバードーズも「署でも薬物の大量服

用の案件が毎日2、3件はある」と聞いて、そこまで身近な問題になっているのかと驚く参加者。高校生の60人に1人は市販薬の乱用の経験があるそう

です。

闇バイトにしても薬物の問題にしても、小さい時からの指導や教育が重要なことを実感させられる講話で、この現状を知って活動に役立ててください、

と締めくくりました。

最後に、特殊詐欺の電話は8割が海外からかかっている現状から、12月から防犯アプリ「デジポリス」に国際電話をブロックするシステムが搭載され

るので、是非利用して、と呼びかけていました。(写真は講話する田村課長)

 

交通ルールは大人が範を示す

都内での交通死亡事故で、歩行者の死亡事故は51件、うち33件が65歳以上の高齢者。区内でも今年3件の死亡事故があったそうです。「交通事故は

『たられば』の世界です」というのは益岡誠二交通課安全教育指導員。横断歩道を渡っていれば、脇見運転していなければ、信号を守っていたら、など、

ちょとっした気の緩みが取り返しのつかない事故に結びつくと、警鐘を鳴らします。改正された道交法に触れ、事案と罰則について事例を挙げて説明し、子

供は大人のまねをするので、大人が範を示さなければ、といいます。交通事故が多くなる年末に向けて、事故のないようにと呼びかけました。

(写真は講話する益岡指導員)

災害時に必要なのは自助共助

黒須浩之警備係長は警視庁発行の冊子「地震のときはこうしよう!」を元に、特に地震災害時の備えについて講話。「阪神・淡路大震災のときに助かった

人たちの97.5%が自分が助かった後周囲の人を助けていて、警察や消防などに助けられた人は1.7%でした」と自助と共助の重要性を訴えます。「防災

の三助」という言葉を引用して、公助が届くまで、最低3日を目標に食糧など各自がどうしても必要なものを非常持ち出し袋に入れて備え、食料などはローリ

ングストックで賞味期限の管理するように、とアドバイス。

都では大震災のときは400万人以上の帰宅困難者が発生すると試算しています。むやみに行動しないよう呼びかけているので、家族で災害時の連絡方法

を話し合ったり避難経路の確認をするように勧めます。

「いざというとき、どうしたらいいか悩まないためには訓練が必要。防災訓練などには積極的に参加してください」と話を締めくくりました。

(写真は講話する黒須係長)

「お金の話が出たら電話を切って」と訴え

ふれあいポリスの鈴木北九生さんは「サギ ストップ!」と書かれたマスクをして登壇。特殊詐欺被害防止の啓発チラシを手に「昨日までに84件、4億円

を超える被害が出ています」との話に驚きのざわめきが広がります。被害件数のうち55件が警察騙りの詐欺だったといいます。被害者の年齢が20代から

60代までと幅広く、特に30代と60代が多いそうです。

区内であった被害の例をいくつか挙げ「最後は借金だけが残りました」という話はどれも悲惨でした。「警察からの電話でお金の話が出たらすぐに切ること」

と強調し、デジポリスのダウンロードを勧めました。(写真は講話するふれあいポリスの鈴木さん)

青少年を取り巻く環境や特殊詐欺の現状、災害対策など、盛りだくさんの懇談会でした。この学びは、今後の活動にも大いに活かされるはずです。

(岡田)

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