取材さんぽ《立川国立》

市民運動の記憶を留める「すずかけ三楽士」の銅人形

立川駅北口の商業施設「グリーンスプリングス」の敷地内に、この可愛らしい三楽士がいます。作品名は「三本のプラタナス

と幸せな三楽士をつくった人々」と長い。通称「すずかけ三楽士」には素敵な物語があります。この近くに3本のスズカケの木

があります。戦後、米軍が立川市に進中駐してきたときに、日米親善の象徴として植えられたらしいです。戦後、米軍が立川市

に進駐してきたときに、日米親善の象徴として植えられたらしいです。その後、基地が返還され、基地跡を利用した再開発が進

みます。その過程で、この3本の木が伐採の危機に瀕します。それを止めたのが立川市民。「スズカケ3兄妹救出大作戦」と銘

打った市民運動によって、スズカケの木は残りました。その運動の記憶を留めておこうと作られたのがこの銅人形なのです。

アートを巡る散歩も楽しい立川グリーンスプリングス

グリーンスプリングスは米軍基地跡の再開発事業の一環で誕生した商業施設です。ショップやレストランの他にエンターテイメント

ホールやホテル、ガーデンステージなどもあって、立川市のランドマーク的存在ですが、その敷地内の至る所にあるパブリックアート

も見逃せません。この写真は「上昇輝竜」という作品。晴れた日は青空に対比し、曇りには空に溶け込み、夜はライトアップされ夜

空に浮かぶ上がる演出がされているそうです。アート作品を探しながらの散歩も楽しいです。

文教都市のブランド力を象徴する大学通り

JR国立駅前の大学通りは真っ直ぐ伸びた通りの途中に一橋大学があり、その先に進むとJR南武線の谷保駅にぶつかります。この通り

の1部は「さくら通り」と命名されていて、シーズンには見事な桜のアーチができます。秋にはイチョウの紅葉も見事で、新東京百景

にも選ばれています。

駅周辺は整然とした街路が多く、大学通り商店街を中心にして左右に放射状に商店街があり、それを貫く道路はそれぞれ一方通行に

なっているそうです。整備された街並みと文教都市としてのブランド力が人気の街ですが、駅前にある赤い三角屋根の旧駅庁舎も可愛

らしく、都内で2番目にコンパクトな都市というのも街の魅力になっているようです。

すべてが見応えのある一橋大学の校舎群

一橋大学の校舎は、どれも重厚で歴史と伝統を感じますが、敷地内には36もの建物があると構内建物内案内にあります。国の登録

有形文化財に選ばれた兼松講堂は西キャンパスにありますが、写真は東キャンパスの時計台棟です。口マネスク様式で兼松講堂と共に

大学の象徴的存在です。自由に出入りできるので、構内を散歩していると、一橋大学になったような気分に浸れます。

東日本最古の天満宮は交通安全発祥の地でもある

谷保天満宮はなんと読むでしょう?

正しくは「やぼ」ですが、JR南武線の谷保駅は「やほ」と読み、地名も「やほ」です。どうも、元々は「やぼ」だったらしいので

す。谷保駅ができるときに「野暮」につながるというので駅名を「やほ」にし、それが地名になったといわれています。

谷保天満宮は、あまり知られていませんが、亀戸天神、湯島天神と合わせて関東三大天神といわれていて、さらに、東日本で最古

の天満宮なのだそうです。菅原道真公が太宰府に左降されたおり、第三子の道武公がここ谷保に配流された、と同天満宮の由緒には

あります。

それだけでも凄いのですが、珍しい「下り宮」なのです。参道を下った先に社があります。

さらにさらに!

ここが交通安全発祥の地なのです。明治41年8月に有栖川宮威仁親王の先導で「遠乗会」と称するわが国初のドライブツアーが

ここを目的地として開催され、故障も事故もなく無事に帰路に就いたことが所以だそうです。

(岡田)

 

立川国立防犯協会の活動の様子は「家庭と防犯」9月号で紹介しています。

 

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